すみだ地域ブランド戦略

松山油脂の本社・墨田工場がある東京都墨田区は、隅田川や美しい桜などの風情や、東京スカイツリーのあるまちとして知られる一方、古くからモノづくりで知られるまちです。皮革やガラス、石けん製造、金属加工、伝統的な工芸品から宇宙開発まで、分野は実に幅広く、昔ながらの職人技と革新的な技術を融合して、たくさんの人が日々モノづくりに励んでいます。

 

そんな地域性を背景に、墨田区は2009年、産業ブランド力の国内外へのPRを目的に、「すみだ地域ブランド戦略」をスタートしました。おもな事業としては、区内の付加価値の高い商品や飲食店メニューを「すみだモダン」として認証し、区内外へPRをする活動があります。松山油脂も「Mマークシリーズ」で認証を受けています。

2019年、すみだモダンは「モノづくりを通して、未来のスタンダードを創造し、人々の幸せを育む活動」へと発展し、商品だけでなく、その背景にある事業者の活動までを対象とした認証事業として、新たなスタートを切りました。「持続可能性」「共創性」「独自性」「多様性」を理念として掲げ、この理念に合致する活動を「すみだモダンブランド」として認証するのです。認証されると、PRや区内でのコミュニケーション機会の創出など、さまざまなサポートを受けられます。私たちは釜焚き製法とREES:PRODUCTSに関する活動で、2023年に認証を受けました。

松山油脂では、1946年から、百時間かけて石けんを焚き上げる昔ながらの釜焚き製法を受け継いできました。また、20年以上前から、ボディケア製品やヘアケア製品、スキンケア製品の詰替用を販売し、プラスチック削減に努めています。加えて近年では自社農園をつくり、製品に配合する柑橘精油も自社で抽出するなど、松山油脂全体で、持続可能性や独自性のある活動を続けています。

REES:PRODUCTSも非常にユニークな取り組みです。キズや変形によって製造段階で規格外になった半製品、処方改良や季節の入れ替えにより店頭から返品されてくる未開封製品、容器の余剰在庫、製造過程で排出される濃厚石けん液などを原料として生まれ変わらせ、アップサイクルして販売しています。

 

地域社会に貢献することは、私たちが掲げるSDGsのテーマのひとつです。これからも地域とのつながりを大切にしながら、私たちにできることを、ひとつひとつ積み重ねていきたいと考えています。

2024年6月、「すみだモダン」のウェブサイトに松山油脂の活動に関する記事が掲載されました。2日間にわたり丁寧に取材していただき、釜焚き製法やREES:PRODUCTSについて、わかりやすくまとめていただきました。こちらの記事もぜひお読みください。「すみだモダン」ストーリーズ