柚子精油で糸口をつかむ
そして山神果樹薬草園へ

松山油脂が目指していることのひとつに「化粧品として肌に有用な植物由来成分について研究し、植物の栽培と化粧品原料への展開を進める」があります。その一環として、柚子やすだちなどの和柑橘の有用性を明らかにすべく、2018年、産地である徳島県に事業所を構えました。さらに、それを引き継ぐかたちで、同県名東郡佐那河内村(みょうどうぐんさなごうちそん)内に、「山神果樹薬草園」を開きました。すでに和柑橘の栽培を始めるとともに、柚子精油の製造も始めています。山神果樹薬草園ウェブサイトへ

近年では柚子をはじめとする和柑橘への注目度や需要が高まり、柚子精油が今後も安定的に供給されるか、不透明になってきました。そんな折、私たちは全国の地方自治体で6次産業化の指導をされている方に巡り会いました。私たちが、佐那河内村へとたどりついたのは、その方を通して徳島県との接点が生まれたからです。徳島県は柚子の生産量が国内2位、すだちの生産量は国内1位と、和柑橘の名産地。村内でも栽培がさかんです。

山神果樹薬草園では、国内外で需要が拡大している和柑橘の精油を安定的に生産します。また、精油をつくる工程で生じる、和柑橘の圧搾果汁や種子、内皮や袋などの繊維質(パルプ)を無駄にすることなく、それらを原料とした飲料や加工食品、ジャム・ドレッシングや香辛料をつくります。さらに、和柑橘の新たな栽培方法と用途を開発し、付加価値を上げることで、和柑橘生産者とともに栽培面積を広げ、徳島県内の里山を元気にします。そして、10年20年後、地元の皆様に評価され、必要とされる存在になることを目指していきます。