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油脂を釜の中で加熱・撹拌し苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)水溶液を加えると、油脂分子が脂肪酸とグリセリンに分解。脂肪酸はナトリウムと結合し、石けんが生成します。この工程を鹸化(けんか。「鹸」は石けんの「鹸」)といいます。これが「釜焚き製法」(鹸化法)と呼ばれる、昔ながらの石けんのつくり方です。
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釜の中には石けん・グリセリン・遊離脂肪酸・遊離アルカリが混在しています。そこに食塩を加えると石けんの分子が集まり、石けん以外の物質は塩とともに沈澱します。これは塩析(えんせき)という化学反応で、石けんの純度を高める工程で利用されています。松山油脂では塩析に天然塩(赤穂の塩)を使っています。
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塩析後、釜の加熱・撹拌を止め、釜の中で石けんの純度が高まるのを待ちます(静置)。その後、釜上部の良質なニートソープ※のみ汲み上げます。その後、機械練り石けんや枠練り石けん製造のためにタンクや混合釜へ汲みあげられ、用途に合わせてニートソープが供給されます。※純度が高まった、熱く粘性のある石けんのこと。
松山油脂のモノづくり / 釜焚き製法
「昔ながら」を受け継いでつくる
石けんの原料は天然油脂と苛性ソーダです。油脂の一部である脂肪酸と、苛性ソーダの一部であるナトリウムが結合して石けん(脂肪酸ナトリウム)になります。水への溶けやすさや洗浄力、泡の量など石けんの性質は、脂肪酸の種類で決まります。松山油脂の石けん素地は、牛脂やヤシ油、植物油を組み合わせています。